2020年2月のビットコインは1,013,273円→923,207円(-8.89%)で下落になりました。
2月がマイナス月になったのは2014年ぶりです。(なお1月は2014年ぶりにプラスでした)
順調な上昇トレンド入りをするかに見えたビットコインですが、一転厳しい展開に。
では2月全体を振り返っていきましょう。
2020年2月のBTCチャート
2月の出来事、チャートを振り返っていきます。
2020年2月の出来事
1月にテクニカル上重要な200日移動平均線を超え、順調に上昇トレンドを形成。
ドル市場が10,000ドルを106日ぶりに記録。
その後bitFlyer FXのビットコイン価格が5%以上の乖離、BitMEXなどのデリバティブ市場の先物も5%以上の乖離をするなど相場の加熱が目立ち始めました。
プチバブル状態です。
MEXのBTC無期限の金利高騰を嫌疑した結果、期先乖離率は5%突入。
OKExも直近の乖離率を更新。水準としては2019年の上昇相場より加熱水準。
USDTのバーンとか足元揺らいでるのにこの強さかあ。
じゃあショートしたらいいやんってなるけど、それができるなら苦労しないんだ😥 pic.twitter.com/ZDfbETWay4— DEG (@DEG_2020) February 6, 2020
ビットコイン価格が115万円をマークし、加熱を冷ますかのように調整の下落。(2/15に5万円幅の下落)
下落後はレンジ相場を形成。ガス抜き後に再び上昇していくかに見えましたが、ここで採掘難易度調整が2ヶ月ぶりのマイナス。
またコロナウィルスの影響でのNYダウ&日経の下落につられる形で続落・・・・で2月の上昇分を一気に吐き出しました。
結局、2月24日から2月28日の5日間で169,441円の下落(15.2%)となり反発もなく2月を終えました。
コロナ騒動はきっかけに過ぎないでしょう。
BTC/JPYチャート
BTC/JPYの日足長期チャートです。重要な200日移動平均線を超えた!と思ったら2月にまた割り込んでしまいました。
2月の最高値から20%以上下落しており、値ごろ感や100日移動平均線のサポートを背に買いも入りそうです。
が、それ以上に急落で損切りが遅れたロングポジションの売りが発生しそうな状況です。
また112~115万円の価格帯が今後抵抗帯としてより強く機能しそうな形になりました。
良い兆候としては100日移動平均線が上向きになっているため、相場自体はゆっくりと右肩上がりを形成できていることが見て取れます。
週足チャート
上記はBTC/USDの週足チャートです。過去に重要なサポートをしている20週移動平均線にちょうど差し掛かったところに来ています。
ここを明確に割り込む場合、上昇トレンド再開の可能性はグッと低くなるでしょう。正念場です。
米国のビットコイン動向
ビットコイン動向を追うのに米国の動きは重要です。主に以下の2つを重視しています。
- CMEのビットコイン先物
- グレイスケールのビットコイン投信(GBTC)
CMEのビットコイン先物
1月にはCMEの週足出来高が急増し上昇トレンドも後から付いてくる形になりました。が、2月は出来高が減少。
CMEのプレイヤー別の未決済建玉表(OI)によるとレバレッジファンドがショートポジションを増やし続けていることがわかりました。
このショートポジションの量はCMEのBTC取引が始まって以来最大の規模になっています。
どういった意図でここまでショートを増やし続けているのか?
その意図に半減期は関係しているのか?
またこのショートをいつ解消(買い戻す)のか?
今後もCMEの動向はよく見た方が良さそうです。
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また土日で大きく価格が変動するとCMEに価格ギャップ(窓)が生じ、それを埋める動きが話題になっています。いわゆる窓埋めです。
トレードに使えるとは思いませんが英語圏含めて窓埋めを意識している(ツイッターから見るに)参加層が非常に多くなっている印象を受けます。
意識する人が多くなるほど窓埋め方向への動きが強くなる可能性があることは留意しておいてもいいかもしれません。
グレイスケールのビットコイン投信
グレイスケールのビットコイン投資信託GBTCの日足チャートです。
こちらも200日移動平均線を超えて順調に資金が入りプレミアムがついていましたがビットコインの下落と共に崩れています。
下げ幅はこちらの方がNYダウなどの金融市場と相関が強く出ていました。
需給指標動向
ビットコインにまつわる需給動向です。ビットコインを買いたい人が増えそうか?売られる理由がありそうか?的な観点です。
USDTの需要の復活
USDTは仮想通貨業界でもっとも使われているドル型ステーブルコインです。そのUSDTはTetherという発行体から市場に供給されます。
1月はUSDTの需要が後退し価格も1ドルを割れていましたが、2月に入ってその様子は一転しました。
現在USDT価格はほぼ1ドルをキープしています。
- ビットコインの購入
- アルトコインの購入
- レバレッジ取引(USDTを借りてロングする)
- レンディングで運用する
基本的にUSDTの需要増加は仮想通貨の買い需要に繋がります。
またBinanceのレンディングサービスを見ると高利回りでも応募が埋まっていない様子もあり、今後もUSDTの供給は増える見込みです。
USDTの発行量情報は以下のツイッターアカウントがフォローしやすく、おすすめです。
※上記の水色線
もしBinanceで待機しているUSDT資金があればレンディングして利息を受け取っておくのも良いでしょう。
ビットコインのハッシュレートは停滞
ビットコインのハッシュレート動向です。
価格との相関は見られないものの「ハッシュレートの増加=ビットコインへの投資拡大=ポジティブ材料」と(若干都合の良い)認知がされています。
ビットコイン半減期を前に2ヶ月ほど上昇を続けていたハッシュレートですが2月に入り停滞しました。
コロナウィルス影響で中国のマイニングファームが停止したことが大きく影響していると考えられそうです。
「コロナウイルスの流行は移行を遅らせ、マイニング難易度の上昇の鈍化をもたらした可能性がある」とウー氏は指摘した。
おおよそ2週間に1度行われるビットコインの難易度調整も2ヶ月ぶりの下落です。
採掘難易度が下落するとマイニングするための費用(原価)が下がります。よってその分マイナーの売り圧力が強くなるというのが定説です。
Googleトレンドの世間の関心は停滞
2020年5月にはおおよそ4年に1度の半減期です。
「ビットコインの半減期=上がる」という単純なものではないですが、過去に上昇している事実があるだけにユーザーを惹きつける可能性があります。
グーグルトレンドの検索動向を見ると半減期を調べている人は増加傾向。
ただ英語圏では検索が2016年の水準に達していないため話題にすらなっていないと考えられます。
ビットコインのハッシュレートや半減期の解説については以下の記事をどうぞ。
国内の仮想通貨取引所動向
タオタオが毎月の増加ユーザー数を公表しています。
1月を通して、新規に口座を開設いただいたお客様は約3,000人いらっしゃいました。「新規口座開設で2020円もらえちゃうキャンペーン」がご好評いただいているのに加えて、1月17日に実施した「Binanceとの戦略的提携に関する交渉開始のお知らせ」のプレスリリース以降、顕著に口座開設をしていただくお客様の数が増加しました。
1月の700人から大幅に増加して3000人です。(大手取引所Binanceとの提携が呼び水になっていますが)ただ現状はコロナウィルスによる株安などが目立ってるため新規ユーザー増加による資金流入は見込めなさそうです。
【結論】2月を終えて今後のビットコイン価格は?
結論として個人的な予想です。
「コロナ騒動のパニック相場が落ち着けば、100万円そして10,000ドル奪還はすぐ」
個人的には株などの金融商品、また原油や金などの商品とビットコイン何も相関してないという考えを持っています。
が、金融商品らが暴落している中でビットコインだけ独歩高・・・も考えにくいのも事実。
よって非常に買いにくい状況です。
そのあたりの思惑が特に金融市場に近いグレイスケールの弱気にも現れているのではないでしょうか。
ただしビットコインだけの事情に限れば、下落していたハッシュレートも復調し、資金流入の目安であるUSDTの発行増加傾向であること、半減期まで残り2ヶ月で今後のメディア露出も増える予定・・・など、ポジティブな要因も見られます。
個人的な売買
先月のコメントはこちら。
2月から買っていたBTC現物は月末の下落で建値割れです。200日移動平均線を背に現物を買い増ししていましたが、現状それも割っています。
このまま取り戻せず、20週移動平均線のサポートも割り込むようなら一旦損切りします。
また3月は各先物市場の四半期物が期日です。BitMEX、OKEx、そしてCMEなどポジション動向を念入りに追っていく予定です。
CMEのショートポジション解消が進みテクニカル上重要な200日移動平均線も超えられた時にロングポジションも保有する考えです。
半減期前までは高騰の目を期待し高騰するしないに関わらず、半減期を界にBTCは売却。半減期後の下落を見込んで再び買い戻し、というシナリオを現時点では考えています。
以上、2月のビットコイン相場の振り返りでした。
仮想通貨投資はリスクや損失が存在する金融商品です。
取引は閲覧者自身の判断によってリスクを十分に理解したうえで自己責任で行ってください。