「ビットコインの半減期」が話題になっていますね。
現時点で(2020年1月28日)ビットコイン半減期は2020年5月に予定されています。
この記事では・・・・
- ビットコインの半減期とは一体なにか?
- ビットコイン半減期で価格が上がる理由は?
- ビットコイン半減期の正確な時期をチェックする方法
- 過去の半減期でビットコイン価格はどうなったか?今回はどうなるか?
という、半減期の仕組みとその時期、ビットコイン価格など分類して書きました。
なるべくカンタンに伝わるように紹介しています。お探しの情報から読み進めてください。
ビットコイン半減期とはなにか?
半減期を一言でいうと「ビットコインを支えてる人たちが受け取るBTCが"半減"するタイミング」です。
「ビットコインを支えてる人たち=マイナー」はおおよそ4年に1度、報酬として受け取っていたBTCが半分になります。
半分(半減)になります。(大事なことなので2回言います)
まずこのマイナーを理解するためにビットコインとブロックチェーンについて少し解説していきます。
ビットコインを動かすブロックチェーン
ビットコインはブロックチェーンの仕組みを使って動いています。ブロックチェーンはブロック(箱)をチェーン(鎖)で繋いでいく仕組みです。
このブロック(箱)の中にビットコインの情報(送金・着金など)のデータが書き込まれています。
取引所でビットコインを購入して送金するときもこのブロックに情報を書き込んでくれてるのです。
そしてこのブロックをチェーンに繋ぐのは誰でもできるという訳ではありません。あるルールにしたがって計算問題をこなし、1番早く解けた人がブロックをチェーンに繋げることができます。
この作業を「マイニング」と言います。そしてマイニングする人たちを「マイナー」と呼びます。
マイニングを和訳すると掘る、採掘と読んだりします。
なぜマイナーはマイニング(計算問題)をするのか?
マイナーたちはなぜマイニングをするのか?
それはブロックをつなぐことに成功するとBTC(ビットコイン)がもらえるからです。
儲かるから、利益が出るからという気持ちで多額の費用をかけてビットコインをマイニングしています。(こんな工場まで作ってます。)
今やビットコインのマイニングは個人レベルの企業や国までもが絡む大きな事業になっています。(日本はGMOがマイニングをやっています)
マイナーは多額の費用をかけてビットコインの計算問題を解き、報酬として受け取ったBTCを売却して事業を営んでいます。
現在は12.5BTCが報酬にで1日で1800BTCがマイナーに行き渡っています。
そんなマイナーたちにとって報酬のBTCが半減するのは非常に大きな出来事なのです。
なぜ半減期があるのか?
なぜそんなマイナーのやる気がそがれるような半減期があるのか?
それはビットコイン1つ(1BTC)あたりの価値を薄めないためです。わかりやすく解説するために、ビットコインの説明によく持ち出される金(ゴールド)を例に出していきます。
なぜ金(ゴールド)はこんなに高いのか?
金はとても高額なイメージがありますよね。実際その通りでiPhoneぐらいの重さの金は100万円ぐらいです(!)
高額な理由の1つは地球上に存在する金の量が非常に少ないからです。
これまで採掘された金は18万トンあると言われており、競技用プール4杯分です。
これまで金が採掘された総量はわずか約183,600トン(※1)。これは、国際基準プール約4杯分しかないのです。
さらに今後採掘できる金の量は残り5万トンと言われており、競技用プール1杯分しか残っていません。
金には美しさという装飾品的な価値もありますが存在している量が少ないという絶対的な事実があります。
仮に人類が金を作り出せるようになった時にiPhoneの重さで100万円という価格を維持することはできないでしょう。
この金の希少性という性質をビットコインはマネているわけです。
- 採掘できる金は地球上に5万トン(プール1杯分)残っており、年々採掘される量は減っていく→金は非常に希少性がある
- ビットコインのマイニング報酬は4年に1度半分になり(半減期)年々マイニングされる量は減っていく→BTCの希少性が上がる
このゴールドのような希少性の性質を持たせるために半減期があります。
最初はたくさん掘れるけど、徐々に採掘量が減っていく・・・ということですね。
ビットコイン半減期とはなにか?のまとめ
半減期について簡単に解説してきました。
- ビットコインにはネットワークを支えるマイナーが存在する
- マイナーには10分毎に12.5BTCの報酬が与えられている
- マイナーはこの報酬をもらうために(利益追及)設備投資をしてマイニングをしている
- 半減期はマイナーへの報酬が12.5BTC→6.25BTCになるイベント
- 半減期はゴールドと同じく希少価値をBTCに持たせるための設計として存在している
わかりやすさを重視して「インフレーション」「価値保存」など経済的な用語を使わずに解説しました。
もっと深堀して理解したい方はこういった記事をおすすめします。
現在のビットコインの「インフレーション」の年率は3.7〜3.8%であると考えられる。(1日あたり平均144ブロックで、約1800の新たしいBTCが生成されることにより)。
一方、半減期後のインフレ率は現在の半分となり、年間約1.8%の割合と低下するとの試算だ。この割合は理論的には、米国連邦準備制度(FRB)の目標である年間インフレ率=2%よりも低い割合に。
ビットコイン購入のおすすめ取引所
ビットコイン半減期で価格が上がる理由は?
上記で書いたようにビットコインは希少価値を持たせる設計になっています。
これがビットコインが半減期の度に上がると言われる理由ですが、なかなか納得しにくいところもあると思います。
ビットコインの半減期で価格は上がるのか?については色々な説があります。
ビットコインの需給バランスが改善し、価格上昇する説
現在のビットコインは1日1800BTCで年間で65.7万BTCがマイナーに報酬として配布されています。
1BTCを100万円とすると年間6570億円相当がマイナーに毎年供給されています。
これら全てのBTCが市場で売却されるわけではありませんが、少なくともマイナーはマイニング事業のために売却して現金を確保します。
- 電気代(地域によって異なる)
- 人件費(作業員)
- メンテナンス、保守(故障など)
- マイニング機器の設備を増設するための投資
全て現金でしか払えないものばかりです
ビットコインは「マイナーのBTC売り(供給)と市場のBTC買い(需要)」が釣り合って現在の価格になっています。
ということは、それだけの資金がビットコインに流入しているということです。もし資金が流入していなければマイナーのBTC売りで価格は延々と下がり続けます。※理屈上は
その状態で半減期後を迎えた場合、供給が減少するとマイナーのBTC売りは減少します。(供給減少)かつ、市場のBTC買い(需要維持)が以前と変わらなければビットコイン価格は上がる。
これが需給バランスによるビットコイン価格上昇の説です。
市場が半減期の価格高騰に期待して高騰する説
2012年と2016年の半減期の後にビットコイン価格は高騰しました。
この再現に投資家が期待して買うことで価格が上がるだろうという説もあります。
2012年にマイニング報酬は25ビットコインと、それまでの50ビットコインから半分に引き下げられ、ビットコインの価格は1年間に8200%上昇した。2016年に2度目の半減期を迎えたビットコインは、その後18カ月間で2200%を超える値上がりを記録した。
ただしこれはみんなが買うから価格が上がるのか価格が上がるからみんなが買うのか、鶏が先か卵が先かみたいな話になります。
確かにビットコイン価格が上がって欲しい業界は(マイナー・メディア・取引所)多いです。
なので過去の半減期の高騰を宣伝をする理由はあり一定の効果はあると思います。
が、それを理論にできるかというとちょっと疑問がでますね。
- ビットコインの供給が半減する
- 年々、世界のビットコインに対する認知は高まっている(投資を検討する人が増えている)
- 過去2回の半減期で上がったという実績を宣伝されやすい
- ビットコインはインフレに強い、という位置付けになりつつある
→だから半減期上げが期待できる
半減期のリスクは?
一方、半減期でビットコイン価格が上がらなかった場合のリスクもあります。
マイナーはビットコインをマイニングして生計を立てているわけですが、半減期というのはいきなり売り上げが半分になることと等しいわけです。
半減期後も現金でコストを払いながら事業を継続していかないといけないわけで、ビットコインの価格が同じ値段のままなら採算が確実に悪化します。
マイナーはビットコインを売却してビットコインのネットワークを支えていますが、価格が上がらず事業撤退が相次ぐ可能性もあります。
そうなった場合はマイナーの数が減少しビットコインのネットワークの安全性が下がることにも繋がります。
場合によって投資家はそれを悪材料と考えてビットコインを売り、マイナーも事業のためにビットコインを売り続ける・・・・という悪循環におちいる可能性があります。
しかしこういった可能性があるものの、現状はビットコインをマイニングする事業体は強気の姿勢で投資をし続けています。
彼らは半減期後も事業を回せる=ビットコインが上がると判断しているのでしょう。
「2020年第1四半期末までに、さらに3625台のT17sを稼働させる計画が「予定通り進んでいる」と同社は述べた。」マイニング収益が10倍に、アルゴ・ブロックチェーン https://t.co/AVmjqflXP5 #coindeskjapan
— DEG (@DEG_2020) January 22, 2020
こんな説も・・・
このようにビットコイン価格が下がって困るのはマイナーです。さらにいうとマイナーにマイニングマシンを提供しているメーカーも同様です。
なので彼らが積極的にプロモーションをしてビットコインの注目度をあげて「価格上昇に繋がる動きをする→ビットコインが上がる」という説もあったりします。
ビットコイン半減期の正確な時期をチェックする方法
半減期の正確な時期はこのサイトでチェックするのが1番です。
このサイトでは半減期までの残り日数をカウントダウンしています。ただしアクセスするたびに日数は変わります。
この理由を知るにはブロックチェーンの仕組みの理解が必要です。ご興味のある方は解説を読んでみてください。残り日数を把握するだけ、ということであれば上記のサイトを定期的にチェックすれば問題ありません。
正確なビットコイン半減期は?
ビットコイン半減期を正確に知る方法を解説します。まず半減期が4年に1度という情報は実は正しくありません。
「えっでも4年ごとって、どこも言ってるじゃないか?」
と思われるかもしれませんが、一般的に理解をされるために4年に1度というのが定例になっています。
ビットコインが初めて発行されたのが2009年、最初の半減期が2012年、2回目の半減期が2016年7月にきました。
なのでだいたい3~4年の周期=半減期は4年に一度という定説になっています。
正確にはビットコインのブロックが21万ブロック進むと半減期がきます。
ビットコインはブロックをチェーン状につないでいくものと解説しました。この繋がれたブロックが21万に達すると半減期になります。
21万ブロック=おおよそ4年
ビットコインのブロックは10分に1度生成され、21万ブロック生成されるのにはおおよそ4年の時間が必要です。
ただしビットコインのブロックは必ず10分に1度生成されるわけではありません。
この微妙なズレが4年に1度といえない理由です。(実際に2回目の半減期からは3年と10ヶ月で3回目の半減期が来ようとしています)
なのでビットコインの3回目の半減期の正確な時期は「ビットコインのブロックが63万に到達したら」になります。
半減期のタイミングを狙ってビットコイントレードをする人はこのことを理解しておくのがいいと思います。
過去のビットコイン半減期で価格はどうなったか?チャートをチェック
ここからは過去にビットコイン半減期で価格がどうなったのかを解説していきたいと思います。
- 半減期1ヶ月前からのビットコイン価格
- 半減期後のビットコイン価格
それぞれの価格チャートを振り返ってみました。
2012年 1回目のビットコイン半減期
1回目のビットコイン半減期は2012年11月26日でした。1ヶ月前の価格は9.6ドルで半減期当日は12.2ドル、期間中に30%の上昇をしました。
ただし半減期効果で上がったか?については疑問が残ります。
- 当時のビットコインの認知度(2012年)は低い
- 2012年11月15日にWordPress.comがビットコイン決済を受付開始の好ニュース
このような条件を考えると1回目の半減期はそれを意識した買いはなかったように見えます。
1回目のビットコイン半減期後、5ヶ月で高騰
1回目の半減期の後にビットコインは12.2ドルから250ドルという1960%(20.5倍)という急騰を見せています。
ただしこの高騰には「キプロスショック」が影響しています。
当時ヨーロッパのキプロスで金融危機が起きた時に全国民の預金口座に最大9.9%の課税をするという処置が発表されました。そこで資金を逃がすためにビットコインが使われ、高騰したという事件です。
3月16日から始まるキプロスの金融危機により、キプロス国内の銀行が閉鎖されるなど法定通貨(ユーロ)への信用が低下し、ビットコインの人気が高まりました。これにより、一時1BTC266ドルとなり、過去最高の価格となりました。
2016年 2回目のビットコイン半減期
2回目のビットコイン半減期は2016年7月9日に起こりました。1ヶ月前の価格は575ドルで半減期当日は647ドル、12.5%の上昇。
1回目の半減期とは違い一時の急騰が見て取れますね。
- 1ヶ月前から高騰が始まり10日間で34%の急騰(非常に短期間)
- その後買いが続かずに下げ続け、大きな出来高を伴う下げで反転
- 半減期当日は特に値動きはなし
- 半減期24日後大きな出来高を伴う投げ売り(失望売りの連鎖)
半減期後の下落は事実売り?
Googleトレンドという、指定のキーワードがその時どれぐらい検索されていたかを調べるツールがあります。
2016年の半減期の際に「ビットコイン 半減期」でもっとも検索された時期は7/3〜7/9でした。
この当時に調べた人がビットコインを買い「思ったように上がらない・・・・」と売りを出したのが半減期後の暴落の正体かもしれません。
2回目のビットコイン半減期後、5ヶ月で高騰
2回目の半減期後の5ヶ月後にビットコインは再び高騰をはじめ71%の上昇をしています。(1.7倍
この間に特に好材料のニュースもなく、自然な上昇をしたことがわかります。
これに関しては上記で書いたように需給バランスの改善によって価格が上昇していったという説が当てはまりそうです。
そしてビットコインバブルまで
そして2回目の半減期18ヶ月後にビットコインは2965%(30倍)の高騰を経て今に至ります。
2020年5月、第3回目の半減期はどのような動きを見せるのか今から注目ですね。
個人的なビットコイン半減期の予想
【追記】2020年2月時点の予想です
個人的には今回の半減期には前回いなかったBCH(ビットコイン・キャッシュ)の存在が重要だと考えています。(ビットコインがどうして誕生したのかはこちらのカテゴリをどうぞ)
BCHはビットコインから分岐して誕生した通貨なので同じように半減期があります。現時点でビットコインより1ヶ月早い2020年4月3日ごろに予定されています。
BCHは2020年からすでに102%(2倍)の高騰をみせて相場を牽引しています。ほぼ間違いなく「半減期相場の先例」としてBCHのチャートは世間に広がるはずです。
そしておそらくBCHの半減期相場が終わるころ(暴落をする)次はビットコインに資金が流れるでしょう。
それと時を同じくして「ビットコイン半減期」についてのニュースが世間に認知され、資金流入が起こると予想します。
時期としては2月後半〜3月頃からのビットコイン価格高騰もあり得るでしょう。
極端な高騰は考えにくいかもしれません
個人的には以下の2点を投資行動としてするのがいいかなと考えており、実践する予定です。
- BCHの下落を観測してからビットコインを買う
- 半減期後の失望売り(大きな出来高を伴う下落)を観測してからビットコインを買い、長期的に保有する
【追記】
3月に起こったコロナショックでこれまでの上昇をひっくり返すような下落がおきました。個人的にはビットコインに資金が戻ると思えず半減期の瞬間を狙って買うのは旨味がなさそうという判断です。(短期トレードは大いにチャンスがあると思います。)
以下に書いたように、歴史的に繰り返されている半減期後の高騰を前提(必ず起きるとは限らない)にビットコインが安くなった時に買うのがいいプランだと思います。
後者は半減期後の失望で安く買いその後の需給バランスの改善、あるいは世間のビットコイン需要のニュース(世界情勢など)で高騰するのを待つ・・・というやりかたです。
仮に半減期でビットコインを高値掴みしても半減期後の高騰狙いの勝率は高いと自分は考えます。
以上、ビットコイン半減期についての解説でした。
ビットコインの購入はこちらからどうぞ。
ビットコイン購入のおすすめ取引所
ビットコインの長期チャートをみる方法はこちらからどうぞ。