Tether(テザー)社が発行するUSDTトークンの問題について

日本のツイッター界隈でも話題になってきたUSDT問題について書いておこうと思います。

一言でいうなら仮想通貨市場には時限爆弾があるかもしれない、というリスクの話です。

 

【追記】

ちょうどニュースの日本語Verも出てました。
理解しやすいと思います👇

テザー社が監査法人と関係打ち切りの噂でUSDT巡る疑惑... | News | Cointelegraph

 

Tetherとは?

仮想通貨トレードをしている方であればUSDTというアルトコインを見たことがあると思います。
これはTether社が発行しているトークンで、1USD=1USDTという価値が等価になっているものです。

 

仮想通貨版の電子マネーって考えると分かりやすいかもしれないですね。(実態は違いますが)

 

このUSDTは何が便利だったかというと、例えば世界中の取引所でUSDを送金しようとすると各国の金融規制などの影響で色々制限がありますよね。
(いきなり1,000万海外送金したら確実にチェックされますよね?)

 

そこでTether社がUSDを裏付けにしたUSDTという仮想通貨を発行→現在これが世界中の取引所の実質的なUSDとして扱われています。

USDをカンタンに世界中の取引所に送ることができる・・・こんな風に使われています。

USDT=USDの裏付けは?

しかし「1USDTあたり1USDの価値がある」ということはあくまでもTether社を信頼することで成り立ちます。

 

👇にあるように同社は金融資産を保有していると主張してはいますが、いまのところ第三者機関が入って証明などはされていません。

https://wallet.tether.to/transparency

 

Tether社が持っているって言ってるから大丈夫

これぐらいの根拠の上に成り立っているのがUSDTです。

Tether社に返済の義務はない

加えてTether社の利用規約によるとUSDTを払い戻たりする権利などは一切なく、また損失による補償もありません。

 

完全に自己責任の上使ってくださいね、というシロモノです。

新たな問題、監査法人の契約終了と追加発行

と、ここまで書いたことはツイッターなどで知っている人も多いかもしれません。

いわゆる「Tetherリスク」ですが、また新たに進展がありました。

 

以下のニュースにもあるようにTether社を担当していた監査法人が突然契約を終了しました。

Something’s Fishy: Tether, Auditor “Dissolve Relations... | News | Cointelegraph

 

詳細な理由などは明らかになっていないものの、不安を感じるには十分な出来ごとです。

約680億円相当のUSDT発行

それに続いてTether社は新たに680億円以上のUSDTを新規発行するという行動にでました。

USDTのチャートにもそれは現れています。

 

これでTether社は合計22.5億USDT(2400億円相当)を発行したことになります。
果たしてこれだけの金融資産を彼らは本当に保有しているのでしょうか。

 

分かりやすいことに追加発行されたUSDTとBTCの値動きが関連していますねぇ・・・。

今後この問題が大きくなるのかどうかは今のところわかりません。

 

しかし明らかに不健全であるこの仕組みが仮想通貨の時価総額に加わっているということは把握しておくべきでしょう。

まとめ

Tether社についてまとめると以下のような形になります。

 

  • Tetherの発行するUSDTは同社を信用するシステム
  • Tetherに資産公開の義務はない(恐らく)
  • TetherはBitfinexとつながっている(BTC買い支えの疑惑)
  • 監査法人は契約を打ち切った
  • 世界中の取引所でUSDTが使用されている
  • 彼らが発行したUSDTは累計2400億円相当

 

これをどう見るかは人それぞれですが、個人的には全く使いたくない仕組みです。

 

  • 将来Tether社に国家権力レベルの調査が入ったときに認められるか?
  • 認められなかったときの市場にあるUSDTはどうなるか?
  • 仮想通貨市場に与えるダメージはどれぐらいか?

 

そういったことを予め知っておく必要があると思い、今回の記事を書きました。
USDTを使っている人は一度考えておいてみてくださいね。

個人的には大暴落も織り込んで投資してます。
👇の記事に書いた取引所破綻はTetherによって引き起こされるかも・・・ということを想定してのことです。

んでは(๑´ڡ`๑)

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