8月にビットコインが分裂し、ビットコインキャッシュが誕生したのは多くの人が知っているかと思います。
ビットコインは11月にまた分裂するか?
しかし今のビットコインには、11月にまた分裂(ハードフォーク)の計画があります。
これは本当にうまくいくのかどうか?また暴落するのか?というのがビットコインの懸念の1つです。
そこ今回「なんでまた分裂するのか?」「そもそも今まで何が起きてたの?」を整理し、その上で11月に分裂の可能性はあるか?について書いてみました。
なお、結論を先にいうと以下の通り。
「分裂(ハードフォーク)の予定はあるものの、やる意味があまり見当たらない」
ではビットコイン騒動を振り返りながら解説していきたいと思います。
ビットコイン騒動と8月に起きたことの振り返り
現在のビットコインはNYA(ニューヨーク合意)の内容に基づいで実装されていることが最も重要なポイントです。 ※SegWit2xという規格です
ビットコインはここ1年ぐらい処理能力の課題を抱えていました。
処理能力向上の為にSegWitによる拡張案と、ブロックサイズを上げるビックブロック案の2つが対立し一向に課題が解決しませんでした。
そん混乱の中「両方の案を取り込めばいいんでない?」そんな妥協のような形で決まったのがNYA(ニューヨーク合意)という案です。
しかしその後も対立は続き、業を煮やした一部の有志がUASFというビットコインを強制的にアップデートさせる案を立案しました。
UASF案が発動した後のビットコインは様々なリスクをはらんでおり「これはヤバいことになる!!」と一気に話題に。
またリスク回避の動きから、UASFが発動する8月1日を前にビットコイン価格は20万円を割り込む勢いで暴落する結果になりました。
↓当時話題になったUASFの解説動画。
しかし結局のところUASFが強制執行されることはなくNYAが実装されました。
そして今後はNYAの計画にあるように11月にブロックサイズを2Mに拡張する、という予定です。
要点をまとめると以下のとおり。
- NYAは対立問題の妥協案のようなもの
- ビットコイン騒動の結果NYAが実装された
- SegWit機能の実装は完了※アクティベーション済み
- 11月にブロックサイズ2Mへの拡張(ハードフォーク)予定がある
いま心配されている「11月にビットコインはまた分裂するかも?」はNYAの元々計画されていた分裂(ハードフォーク)のことです。
8月に誕生したビットコインキャッシュについて
また8月の分裂で発生した、ビットコインキャッシュについても整理しておきましょう。
ビットコインキャッシュは上記のNYA案とは別のルートから出てきたUAHFという案によるものです。賛成する人は少なかったのですが、8月にビットコインから分裂(分岐)する形で誕生しました。(まさかです)
ビットコインキャッシュは「ブロックサイズ1M→最大8M」「セキュリティの向上」という機能の向上を備えました。
しかし、これを本家のビットコインとして認める取引所はなく、現在はアルトコインとして普及しています。
ビットコインキャッシュはSegwitを実装しておらず「ビットコインコア(開発陣営)に対する反対意志」という面で誕生した意味合いが強いものとなりました。
ビットコインキャッシュまとめると以下の4点です。
- ビットコインから分裂(分岐)して誕生した
- 最大8Mのブロックサイズを扱うことができる
- アルトコインとして普及している
- ビットコインキャッシュを支持するグループが存在する
ビットコイン騒動をまとめると
さて、ここまで読んで頂いてもなかなか理解しにくいビットコイン事情ですが無理やり要点をまとめました。
- ビットコインの性能向上問題が一向に進まない(原因はSegWit派とビックブロック派の対立)
- 両方の案を取り込んだNYA(ニューヨーク協定)が作られる
- ビットコイン開発の一部がUASFを提唱、SegWit実装の強硬
- それに対する反対意志としてUAHFが提唱される
- マイナーによってNYAが支持されUASFは発動せず
- NYAによってビットコインはSegWitが実装される
- UAHFも同時に発動し、ビットコインキャッシュが誕生する
- NYAのブロックサイズの拡張が11月に実施予定←今ここ
うーん、わかりにくいですね・・(;´Д`)
まあ、色々あってNYA案が採用されて11月に予定通り分裂するか?っていうことなんだなと理解してもらえればOKかなと思います。
11月のビットコイン分裂(ハードフォーク)は予定どおり実行するか?
ざっと今までのビットコインの経緯を振り返りました。
今後話題になるのが、「NYAの11月の分裂(ハードフォーク)をやるのか?」ということです。
11月に1M→2Mへの拡張
11月に実施する分裂(ハードフォーク)はビットコインのブロックサイズ(容量)を1Mから2Mに拡張するというものです。※NYA案はSegWit2xという規格です
このブロックサイズサイズの拡張はNYA案が作られた時にビックブロック派の主張を織り込んだものです。
しかしNYAが立案されたときと状況は変わり、今はもうすでにビックブロックが扱えるビットコインキャッシュがあります。
それに加えてNYA陣営の開発力が非常に乏しく「無事にハードフォークできると思えない」と言われているのが現状です。
- 既にビックブロックであるビットコインキャッシュの存在
- Segwit2x(NYA陣営)の開発者が少なく技術力も乏しい
- 時期を決め打ちしてハードフォークをすることの危険性
上記のような理由から11月の分裂はすべきではない、というのばビットコインの開発者側のスタンスです。
また開発者のみならず、マイナーも明確に反対意志を示しています。
速報:マイナーは11月の2MBハードフォークを行う必要はないと発言 #ビットコイン #仮想通貨 #Bitcoin $BTC #ブロックチェーン #NO2X #SegWit2x https://t.co/CQ2upPoEWy
— 墨汁うまい(BokujyuUmai) (@bokujyuumai) September 11, 2017
大手マイナーも意思表明をしており最早やる意味が見られない状況です。
速報:中国三大取引所のBTCCが運営するマイニングプールはSegWit2xの2MBハードフォークのNYAに賛成でないブロックを3ブロックマイニングする。SegWit2xはF2プールの離脱を含め崩壊しかけである #ビットコイン #仮想通貨 #Bitcoin #中国 #NO2X https://t.co/FEfUg5s67V
— 墨汁うまい(BokujyuUmai) (@bokujyuumai) September 11, 2017
それでも11月のビットコイン分裂を強硬する可能性はある
上記のに書いたように最早11月の分裂(ハードフォーク)をやる意味は薄れており、かつリスクは高い状況です。
合理的に考えれば、11月の分裂は起きずこのままビットコインは順調に開発されていくと思います。
しかし以下の2点が懸念材料になり分裂の可能性は捨て切れません。
- 本流のビットコインのブロックサイズを拡張すべきだという主張
- NYAを反故にすることはできない
ビックブロック派からしてみれば、ビットコインキャッシュがあると言われてもそれはアルトコインとして存在しています。
本家本流のビットコインにこそビックブロックを実装すべきと主張をする可能性があります。(メンツの世界ですね)
またもともとNYAは分裂(ハードフォーク)を前提に合意されたものであり今になって予定を変えるのは筋が通らないといった主張をされることも考えられます。
こういった政治的かけひきで、主要人物の発言がビットコイン価格を大きく揺さぶる可能性は大いにありえます。
結論と追記
最後に結論として今回の話をまとめます。
- ビットコインは分裂の予定があるものの意味が見当たらない
- 合理的に考えて11月の分裂の可能性は低い
- しかし政治的駆け引きで分裂の方向に事が進む可能性もあり、
この確執に終止符が打たれない限りリスクは続く
最後まで読んでいただいた方ありがとうございます。
今回ビットコインの状況を整理し、個人的には年内強気スタンスを継続していきたいと気持ちが固まりました。
【追記】
年内は強気スタンスですが、分裂騒動を機に価格の乱高下はあると思っています。
はー、ビットコイン11月の問題を色々しらべて頭スッキリ!
分裂しないという予想の上、年内は強気スタンス。なお中国は知らん。— DEG (@DEG_2020) September 12, 2017
【追記10月15日追記】
ビットコイン分裂に際し、各取引所のスタンスがアナウンスされ始めました。
- Bitfinex:分裂した2つのビットコインは別モノとして扱う。
ソース元→https://www.bitfinex.com/posts/223 - Bitmex:強力なリプレイプロテクション(分裂後のハック対策)が実装されていない限り分裂した後のビットコインは認めない/扱わない
ソース元→BitMEX Blog
取引所のスタンスが出揃ったらまた別記事にして紹介します。